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「豊かなノルウェーこそ変わるべき」 オスロ建築トリエンナーレのディレクターが自然優先の建築を訴える

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ノルウェーの造園家で、オスロ建築トリエンナーレのディレクターを務めるリーネ・ラムスタッド氏が、Dezeenのインタビューに応じた。豊かな国であるノルウェーには、自然を優先して建物を設計するやり方へ切り替え、気候変動に取り組む責任があると語った。トリエンナーレは2026年9月17日から10月1日まで、オスロのソフィエンベルグ教会で開かれている。

何が起きたのか

ラムスタッド氏は、建設業界がいま掲げる持続可能性の目標では炭素の排出を十分に減らせず、循環を前提にした全体的な設計が欠かせないと主張する。気候の問題を、それを生んだ仕組みの中で解こうとしてきたとして、「私たちの環境に配慮したやり方は、本当は環境に配慮していない」と述べた。

批判は自国にも向かう。ノルウェーは豊かで暮らしやすいが、物事がうまくいっているので変わろうとする意欲が乏しいという。気候変動の影響をほかの地域ほど直接には感じないからこそ、国内で議論する場としてトリエンナーレが大事だと話す。

同氏が展示で評価した例の一つが、シグリッド・レゲルネス・テイゲン氏とグレタ・グライスナー・ビルケラン氏による「ジェネラルプラン2.0」である。オスロが長年、昔からの水路の上に建物を建ててきたことが洪水の増加につながったと批判し、水とともに育つ都市計画を提案した。ラムスタッド氏は「川や湿地を建てる土地にしてしまうのは正気ではない」と語った。

背景

同氏は農場で育ち、フェミニストで環境活動家だった祖母の影響を受けたという。2009年に非営利の建築集団Gyaw Gyawを立ち上げ、ミャンマーとタイの国境地帯に15年暮らして、地元の人々と建物をつくった。土地の自然を変えて建てることの影響を理解したのはそこでだった。帰国すると、ノルウェーはこの15年で祖父母の世代の暮らしから大きく離れていたと振り返る。

建築家の生態系に配慮した提案を実際の建物にするには、業界の仕組みを変える必要があると同氏は認める。それでも今回の展示を通じて、全体的、循環的に考える動きが広がっていると感じ、以前より希望を持てるようになったと話した。

日本にとっての意味

水路の上に街を広げてきたのは東京も同じである。東京都の渋谷川・古川河川整備基本方針(2008年)によると、市街化が進んで氾濫や汚濁が問題になり、1961年の都市計画地方審議会の答申を受けて、1970年までに渋谷川の宮益橋より上流と支流が下水道幹線に変えられた。いまは暗渠である。同方針は今後の整備について、できる限り暗渠化や覆蓋化によらず、川の姿が見える形にするとしている。

水辺の低地を建てる土地にしない仕組みもできた。2021年に改正された特定都市河川浸水被害対策法は、川からあふれた水や雨水を一時的にためる低地を、知事などが所有者の同意を得て「貯留機能保全区域」に指定できるようにした。区域内で盛土や塀の設置をするには、30日前までの届け出が要る。国土交通省近畿地方整備局によると、全国で初めての指定は2024年7月30日、奈良県の川西町と田原本町だった。