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スペイン、住宅2政令否決で11月に解散総選挙

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スペインのサンチェス首相は現地時間5日、現地の11月29日に総選挙を実施すると表明した。住宅危機対応の政令2本が議会で否決され、少数与党のままでは改革を続けられないと判断したためだ。発端は87歳の女性の立ち退きをめぐる全国的な抗議だった。

何が起きたのか

サンチェス首相はマドリードで内閣を招集し、解散総選挙の手続きに入ると述べた。これまでの政権運営に誤りがあったと認めつつ、改革を進めるにはより強い議会の多数派が必要だと説明した。

背景には、現地時間2日に議会が否決した住宅関連の2政令がある。カタルーニャ独立派のジュンツが、保守の国民党や極右のボックスとともに反対し、政府との事前協議にもかかわらず両政令は廃案となった。週末(現地時間3〜4日)にはスペイン各地で抗議デモが起き、マドリードのプエルタ・デル・ソル広場では泊まり込みが続いた。

サンチェス首相は選挙を、改革を続けるか極右による後退を受け入れるかの選択と位置づけ、より広い進歩派の多数派を有権者に求めた。スペインを「平和とフェミニズム、繁栄の世界的な基準点」と称し、開放性と社会的公正の砦であり続けるべきだと訴えた。

背景

抗議の発端は、マドリードの自宅から87歳の女性マリカルメン・アバスカルさんが立ち退かされた一件だ。

1994年成立の都市賃貸借法(LAU 29/1994)は、1985年5月9日より前の旧契約の承継について、承継できる回数と期間を制限する経過規定を置いている。

政府は抗議を受けて住宅対策の政令を出したが、スペインの政令(Real Decreto-ley)は議会の事後承認が得られなければ失効する制度で、今回は否決により両政令とも効力を失った。サンチェス氏は2023年の総選挙で第2党にとどまりながら左派スマールや少数政党の支持で連立を組んでいた。次の総選挙の期限は現地の2027年8月22日だったが、政令否決が早期解散につながった。

日本にとっての意味

高齢者が住まいを追われる事態をどう扱うかは、日本の借地借家法にも通じる論点だ。平成3年法律第90号の附則第4条は、附則に特別の定めがある場合を除き、新法の規定を施行前に生じた事項にも適用すると定めるが、建物賃貸借の更新拒絶や解約の申入れには第28条の「正当の事由」が必要だ。使用の必要性に加え、従前の経過や利用状況、立退料の申出などを考慮して正当事由が認められなければ、賃貸人は更新を拒めない。

日本では施行前からの契約であっても、更新拒絶には個別に正当事由の判断が要る。高齢単身世帯761万7千世帯のうち借家居住は32.2%、245万1千世帯(2023年)に上る。更新拒絶の正当事由をどう判断するかは、この層の住まいの安定を直接左右する。