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MI5、中国系研究所が英国とつながる研究者100人超の研究に資金提供と非難

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英国の国内情報機関MI5は、中国の研究所が英国とつながりのある研究者100人以上の研究に資金を提供し、中国の諜報能力の強化に利用していたと公表した。この研究所は中国国家安全部(MSS、中国の文民情報機関)と非常に強いつながりを持つとMI5はみている。MI5は英国の大学に対し、この研究所との提携を直ちに見直すよう求めた。

何が起きたのか

MI5は公開の警告で、中国通用技術研究院(China General Technology Research Institute、CGTRI、China Academy of General Technologyとも呼ばれる)がMSSと非常に強いつながりを持つと指摘した。MI5は「CGTRIの主な目的は、MSSの諜報における技術力を直接向上させる学術研究に資金を提供することだ」と述べている。

CGTRIが資金を提供した研究プロジェクトには、英国とつながりのある研究者が100人以上関わっていたという。分野は人工知能、サイバーセキュリティ、秘匿通信システム、ステガノグラフィー(別のデータの中に情報を隠す技術)に及ぶ。

MI5は、関わった研究者の一部は資金の出し手がCGTRIだと知らなかった可能性があると認めている。多くの機関や個人は、CGTRIと中国情報機関のつながりを知らないまま、善意で関係を持ったとみられるとした。

MI5は大学に提携の見直しを求めるとともに、中国の機関と研究を行う研究者には資金の最終的な出どころを突き止めるよう助言した。英国の国家安全保障法2023(National Security Act 2023)には外国の情報機関への支援や物質的利益の受領に関する罰則規定があり、MI5はCGTRI経由の資金による研究を続ける機関や個人に独立した法的助言を求めるよう促している。

背景

英国ではここ数年、大学の国際共同研究に対する安全保障上の懸念が高まっており、資金提供元の透明性を確保する動きが広がっているとみられる。MI5は今回の警告でも、政府の研究連携助言チーム(RCAT)や、国家防護セキュリティ機関(NPSA)と国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が共同で公表する指針「Trusted Research」の助言を求めるよう大学に促している。

日本にとっての意味

日本の研究インテグリティ制度も、出発点は研究者本人の自己申告だ。2021年12月17日に改定された競争的研究費のガイドラインは、国外からの支援を含む外部資金や兼業の申告を義務づけ、虚偽申告には不採択・採択取消し・研究費返還・最長5年の応募制限を課す。

ただしCGTRIの事例が示すように、資金の最終的な出どころが隠されていれば、自己申告だけでは把握できない。この穴を埋めるのは、申告内容を別途入手できる情報と突き合わせて確認する仕組みで、内閣府が2025年12月に公表したフォローアップ調査でも、国公私立大学等344機関(国立大学・大学共同利用機関法人87機関と公私立大学257機関)を対象に、その整備状況が調査項目になっている。