ハリケーン『ポロ』メキシコに上陸、沿岸部で浸水と倒木
北東太平洋で発生したハリケーン『ポロ』が現地時間9月28日午後11時、メキシコ北西部バハ・カリフォルニア・スル州のラス・バランカス付近に上陸した。カテゴリー2の勢力で最大風速は毎時175キロに達し、沿岸の集落で鉄砲水と浸水が起き、樹木がなぎ倒された。米国立ハリケーンセンター(NHC)は29日時点で、ポロがカリフォルニア湾を横断中で、10月初めにかけて米国南西部の一部に大雨をもたらす可能性があるとしていた。
何が起きたのか
ポロは現地時間9月28日午後11時、ラス・バランカス付近に上陸した。カテゴリー2の勢力で最大風速は毎時175キロ、沿岸の町では浸水と鉄砲水が発生し、倒木も報告されている。NHCによれば、ポロは29日時点で上陸後もカリフォルニア湾を横断しており、10月初めにかけて米国南西部の一部に大雨をもたらす恐れがあるという。
同じ時期、熱帯暴風雨『レイチェル』がメキシコの海岸線に沿って進んでいる。さらにハワイ沖では、現地時間9月26〜27日の週末にハワイ島の一部に大雨を降らせたカテゴリー3のハリケーン『ノロ』が遠ざかりつつある。米AP通信は、今シーズンの太平洋の熱帯低気圧活動は平年を上回っており、これはエルニーニョ現象のパターンに整合すると伝えている。
背景
カテゴリー2は、米国で使われるサファ・シンプソン・ハリケーン風速階級の区分の一つで、「メジャー・ハリケーン」とされる最上位3段階には届かないものの、十分に強い暴風を伴う階級とされる。北東太平洋やカリブ海・大西洋の熱帯低気圧は、この階級で勢力が語られることが多い。
エルニーニョ現象は、赤道太平洋の中部から東部にかけて海面水温が平年より高くなる状態を指す。この海域の水温の偏りは大気の対流パターンを変え、世界各地の熱帯低気圧の発生しやすさや進路に影響を及ぼすと考えられている。ただし、その効き方は海域によって一様ではなく、ある海域で活動が活発になる一方、別の海域ではむしろ抑えられる、という逆の現れ方をすることがあるとされる。
日本にとっての意味
今回の報道が示す関連は「エルニーニョに整合する平年を上回る活動」の一点だけだが、同じエルニーニョは日本が属する西太平洋では別の効き方をしている。気象庁の監視速報(令和8年9月9日発表)によると、2026年8月のエルニーニョ監視海域の水温偏差は+3.4℃で、8月としては1949年以降最も高い値だった。一方、同じ8月の西太平洋熱帯域の水温は基準値より低かったという。
気象庁が1951〜2021年を対象にまとめた統計では、エルニーニョ発生時の台風は発生位置が平常時より南東寄りにずれ、夏は最盛期の中心気圧が低く、寿命が長くなる傾向があるとされる。実際、2026年の台風発生数は9月29日時点で26個に達し、年間の平年値25.1個を9月末の時点で既に上回った。一方、日本への上陸数は3個で、年間の平年値3.0個とほぼ同じだった。同じ海水温の偏りが、北東太平洋では活動そのものの活発さに、西太平洋では生まれる場所や育ち方に、それぞれ別の形で現れているとみられる。