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熱帯林保全基金TFFF、2026年末目標に27億ドル不足、ノルウェーの30億ドルも宙に

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ブラジルが主導する国際的な熱帯林保全基金TFFF(Tropical Forest Forever Facility)が、2026年末までに達成すべき100億ドルの調達目標まで、あと27億ドルを4か月足らずで積み増さなければならない状況にある。目標未達なら、ノルウェーが表明した30億ドルの拠出が失われる可能性がある。一部の国は2026年10月に予定されるブラジル大統領選の結果を待って拠出を判断すると報じられている。

何が起きたのか

TFFFは2025年にブラジル・ベレンで開かれたCOP30で発足した基金で、熱帯林を守り続ける国に資金を払う仕組みを目指している。現在までに集まったスポンサー資本(各国政府などが拠出する元手の資金)は約73億ドルで、2026年末の100億ドルという目標にはまだ届いていない。

COP30では60か国以上が発足宣言を支持し、5か国が投資を表明するなど政治的な追い風が吹いた。しかしその後の拠出ペースは鈍り、2026年に入ってから政府として拠出を約束したのはルクセンブルクと英国のみで、両国合わせて約6億ドル。非営利団体ネイチャー・コンサーバンシーも500万ドルの拠出を約束した。

背景

TFFFの資金の出し手が慎重になっている背景には、基金の運用ルールがまだ固まっていないことがある。2026年5月にはオランダで投資家会合が開かれ、世界の金融機関から50人以上の代表が資金構造について協議した。2026年7月には、ブラジル、ノルウェー、オランダ、コンゴ民主共和国などで構成する暫定理事会が基金運営の枠組みとなる統治憲章に合意し、その内容も公開された。それでも2026年8月時点でTFFFの公式サイトは、投資家の間でリスクとリターンをどう分担するかを含め、基金の仕組みや運用の細部がなお協議中だとしていた。

基金の環境設計に関わってきたWCS(野生生物保全協会)のカルロス・リットル氏は、「拠出国が小切手にサインするには、ルールが非常に明確である必要がある」とMongabayに語っている。

ノルウェーの拠出条件はとりわけ厳格だ。同国議会は2026年6月、2026年度予算の一部として最大30億ドルの拠出を承認したが、これは基金への単独出資額としてはこれまでで最大規模となる。ただし全額が支払われるのは、基金全体の総額が150億ドルに達した場合に限られる。ノルウェーの出資比率を総額の20%以内に抑える条件があるためで、100億ドルの時点では30億ドルが30%を占め、上限を超えてしまう。

同国が過去に他の熱帯林保全の枠組みで資金負担の偏りを経験していることも、こうした慎重な条件設定に影響しているとみられる。

日本にとっての意味

日本が途上国の排出削減を支援する二国間クレジット制度(JCM)では、技術や資金の面で協力し、得られた削減分を両国の貢献度に応じて配分する。受け取ったクレジットは自国の目標に算入できる仕組みとして知られる。対してTFFFは森林を守り続けた国に資金を払う設計で、拠出国が見返りにクレジットを得る仕組みにはなっていないとみられる。

そのため拠出国の関心は、目標算入の可否ではなく、リスクとリターンの分担がどう決まるかに向かうとみられる。ノルウェーも自国の拠出が総額の20%を超えないよう、全額の支払いを総額150億ドル到達まで待つ条件を付けている。クレジットを介さずに資金を集め続けるには、こうした出資条件の明確さが拠出国確保の鍵になるとみられる。