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米CDC、低所得層向け新型コロナワクチン発注をFDA承認から1カ月遅れで解禁

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米疾病対策センター(CDC)は、低所得層や無保険の子どもに無料でワクチンを提供する「Vaccines for Children(VFC)」プログラムについて、各州が更新版の新型コロナワクチンを発注できるようにしたと専門メディアCIDRAPが現地時間9月24日までに報じた。米食品医薬品局(FDA)が更新版ワクチンを承認した現地時間8月27日から、約1カ月が経過していた。民間保険に加入する家庭の子どもは、この間すでに数週間にわたり接種を受けられていた。

何が起きたのか

VFCは、メディケイド(Medicaid、低所得者向け公的医療保険)に加入する子どもや無保険の子ども、保険の補償が不十分な子ども、先住民の子どもなど、米国の子どもの半数以上が対象となる無料接種の仕組みだ。FDAが現地時間8月27日に更新版ワクチンを承認した後も、CDCがこのプログラムでの発注受け付けを始めるまでには時間がかかった。複数の州の担当者が、ようやく発注が可能になったことを確認している。サウスカロライナ州保健当局の広報担当者は、CDCから前日午後に「本日から新型コロナワクチンの発注が可能になる」と連絡を受けたと説明した。

新型コロナウイルスによる入院率は全体としては低い水準にあるものの、6月半ば以降は上昇傾向にあるという。CDCによれば、入院率が特に高いのは1歳未満の乳児と65歳以上の高齢者だ。公衆衛生の擁護派は、VFCへのワクチン供給が遅れたことで、低所得層の子どもがより高いリスクにさらされたと指摘している。

背景

米国では、ワクチンがFDAに承認されることと、公的な無料プログラムで実際に使えるようになることは、別々の手続きを経るとみられる。FDAの承認は薬事上の安全性・有効性の判断であり、その後にCDC側で対象プログラムへの組み入れや州への供給体制を整える工程が別途必要になるという構造があるようだ。民間保険を通じた接種はFDAの承認だけで動き出せるため、公的プログラムに頼る家庭との間で接種開始のタイミングに差が生じたとみられる。

日本にとっての意味

日本でも、薬事承認の時期と、公費で打てるようになる時期は、別の工程で決まる。15価肺炎球菌ワクチン「バクニュバンス」は2023年6月26日に小児への適応が承認されたが、厚生労働省がこれを定期接種の対象に加えたのは2024年4月からで、約9カ月の差があった。

ただし米国のVFCのケースと異なり、この間も旧製剤の13価(プレベナー13)が2024年9月30日まで定期接種の対象として公費のままだったため、公費で肺炎球菌ワクチンを打てない期間は生じていない。差が出たのは、家庭が新しい15価を選んだ場合だけだ。

その場合は任意接種となり自費になるのに加え、健康被害が起きた際の救済も予防接種法に基づく給付ではなく、医薬品副作用被害救済制度の対象に切り替わる。承認と公費適用の間の空白は、費用だけでなく、いざというときの救済の根拠法まで変えてしまう点に注意が要る。